64歳の市民ランナー・入江さんが語る!「走ることは人生そのもの」
前回の記事では、入江さんがランニングを始めた理由や、記憶に残った大会などをお伺い
しました。 後編では、入江さんが目指す「サブフォー」への挑戦、ランニング中に見えた世界、
そしてランニングが人生に与えた影響について深掘りしていきます! 走ることの楽しさと奥深さが詰まった
インタビュー、ぜひ最後までお楽しみください。
走るための食事、糖質は敵か味方か?
かつてボクシングをしていた入江さんにとって、「糖質=悪」でした。 減量のために糖質を極力カットするのは
当然だ然のことだったそうです。
しかし、ランニングを続けるうちに、その考え方も変わっていきました。
「今はバランスよく食べることを意識しています。特に走った後は、ちゃんと糖質取れるようにしていますね」
食事は1日3食。昼の糖質は控えめにして全体のカロリー調整をするなどの工夫もしているそうです。
では、大会前は特別な食事をしているのかと思いきや…。
「以前は炭水化物を増やしたり、カフェインを抜いてみたり、いろいろ試しました。でも、いつもと違うことをすると、本番もいつも通りじゃなくなるんですよね。だから今は『普段通り』を意識して、ちょっとだけ糖質を多めにしています。」
ランナーなら誰もが気になる「大会前の食事問題」。 結局のところ、特別なことをするよりも、
普段からの積み重ねが一番大事なのかもしれませんね。
サブフォーへの挑戦!その先に見える景色
今の目標は「フルマラソンでサブフォー(4時間切り)」このタイムを目指して、日々トレーニングに励んでいるそうです。
「64 歳になった今も、こうして記録を追い続ける理由─それは、単に速く走ることが目的ではなく、年齢を理由に立ち止まらず、自ら前へ進み続けたいからです。また、ランニングを通じて若い世代に伝えたいこともあります。」
「今の世の中って、欲しいものが簡単に手に入りますよね。けれど、マラソンは違います。自分の足で一歩ずつ前進しないと、ゴールにはたどり着けない。誰かに頼ることも、近道をすることもできません。挑戦し、時に失敗し、それでもあきらめない。その姿を見せることも、普段から学生たちと接する立場の中で、大切なことだと感じています。入江さんにとってのランニングの大きな意味の一つになっているようです。これは、人生にも通じること。
「与えられるものではなく、自分の手でつかみ取ったものこそ、本当の価値になる」
マラソンのゴールも、人生の目標も同じ。どんなに遠く感じても、一歩ずつ進み続ければ、必ずたどり着ける。
そのことを、走る姿を通じて、日々接している学生たちにも伝え続けたいと思っています。


「世代を超えてつながるラン仲間との絆」
入江さんはランニングを始めてから、年齢や経験の異なるランナーと共に走ってきました。
特に、一回り以上年の離れた若いラン仲間と走る時間は、ただ楽しいだけではなく、大きな刺激になっているといいます。仲間のエネルギーに引っ張られながら、「もっと速く、もっと強く、まだまだ一緒に」と思える。だからこそ、少しでも長く、この楽しい時間を共に走り続けていたい。
しかし、いずれは一緒に走ることが難しくなる日が来るかもしれない。
それでも、ラン仲間との絆を大切にし続けたい。
たとえ共に走ることができなくなっても、大会のサポートや応援を通じて、仲間とのつながりを絶やすことなく、この世界に関わり続けていたい。それほどまでに、ランニングを通じて出会った仲間は、自分にとってかけがえのないものなのです。
と力強く語ってくださいました。
そんな入江さんが特に感銘を受けたのは、平均年齢 70 歳以上のマスターズランナーたちです。
かつてエリートランナーだった方々が、今もなお走ることを楽しみ、挑戦し続けている姿には、
言葉にならないほどの力があります。「『もう年だから』ではなく、『どうすれば怪我をせず、より速く走り続けられるか?』を常に考えているんです。その姿勢に触れるたび『自分もまだやれる。もっと挑戦できる』という気持ちが湧いてきます。」
マスターズランナーたちが示してくれたのは、「年齢に関係なく挑戦できる」という生き方。その姿に勇気をもらい、入江さん自身もまた、その想いを次の世代へ伝えていきたいと考えています。
年齢を重ねても、挑戦する気持ちを持ち続けること。 それこそが、ランニングの本当の魅力なのかもしれません。


「ランニングとは、私にとって──」
「入江さんにとってランニングとは?」の質問に対して、入江さんはこう答えてくれました。
「ランニングとは、挑戦し続けること。人とつながること。そして、自分を信じること。挑戦することで、昨日の自分より少しでも前へ進む。仲間と励まし合い、支え合いながら、成長していく。そして、年齢を重ねても、「まだできる」と自分を信じる。
だから私は、いくつになっても新しい目標に向かって走り続けます。」
サブ4という壁を越えた先に、どんな景色が待っているのか。それを確かめたくて、今も入江さ
んは挑戦を続けています。

64歳、挑戦は続く──走り続ける理由と未来へのメッセージ
最後に、これからランニングを始めたい方に向けて、入江さんから熱いメッセージをいただきました
「ランニングって、まるで人生のようなものです。しんどい時もあれば、楽しい時もある。でも、諦めなければ必ずゴールできます」そして、走ることで見える新しい景色や、新しい人との出会い。それこそが、ランニングの最大の魅力だといいます。「タイムや距離にこだわる必要はありません。まずは一歩踏み出してみてください。その一歩が、新しい世界への扉になるかもしれませんよ!」
64歳になっても、挑戦を続ける入江さん。その姿は、多くの市民ランナーにとって、大きな励みになるのではないでしょうか。そんな入江さんの今のモチベーションの源は、昨年末に誕生したお孫さん。
「12月31日に生まれた孫を背中に背負って山を走ってみたいなあ……。これが今、一番のモチベーションなのかもしれませんね(笑)」
ランニングは年齢に関係なく挑戦し続けられるスポーツ。そして、何よりも大切なのは、楽しみながら続けること。
それこそが、入江さんのスタイルです。 これからも、新たな目標に向かって走り続ける入江さんの挑戦は、まだまだ終わりません。

